【助成金情報】設備投資と働き方改革を同時に進める「令和8年度版年休促進コース」活用のポイント|岡山・倉敷

令和8年度も「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」、いわゆる「年休促進コース」の受付が始まっています。設備投資や業務改善を検討している中小企業にとって、確認しておきたい制度のひとつです。会社としてまず行うべきことは、「自社が対象になるかを確認し、早めに社会保険労務士等の専門家へ相談する」ことです。
制度概要:残業削減・休暇推進と設備投資を支援する助成金
年休促進コースは、残業削減や有給休暇を取りやすい環境づくりに取り組む事業主を支援する助成金です。
研修・就業規則の整備・業務効率化につながる設備の導入などの「取組」を行い、あわせて「成果目標」(残業時間の削減/年休の計画的付与の導入/時間単位年休・特別休暇の導入、のいずれか)を達成すると、かかった費用の一部(原則3/4、一定条件では4/5)が助成されます。
成果目標に賃金引上げを組み合わせると、さらに加算が期待できます。
自社へのメリット:設備導入と賃上げで80万円を受給した飲食業の事例
弊社が、昨年度サポートさせていただいた企業様(飲食業)の活用事例をご紹介します。
業務用高圧洗浄機や自動床洗浄機など約170万円分の設備を導入する取組とあわせて、年休の計画的付与・時間単位有給・ボランティア休暇の導入、3%の賃上げにも取り組まれました。
その結果、各制度導入に対する助成(50万円)と賃金引上げ加算(30万円)を合わせた合計80万円(前年度要件に基づく実績)を受給されています。
このように、設備投資による業務改善と、休暇制度の拡充・賃上げによる人材定着を同時に進める手段として活用できる可能性があります。
なお、令和8年度は加算額の区分等が見直されているため、現在申請する場合の助成額は事例と異なる場合があります。
経営者がやるべき実務対応:対象確認から準備までの5ステップ
1.自社が対象かを確認する
雇用保険の適用事業所であり、業種ごとに定められた中小企業の基準(資本金額または常時使用する労働者数)を満たす事業主であれば、規模の小さい企業でも対象となる可能性があります。あわせて、36協定を労基署へ届け出ているか、年次有給休暇管理簿を作成しているかなども確認します。
2.何に取り組むかを検討する
研修の実施、就業規則・労使協定の整備、業務効率化につながる設備の導入など、9種類の取組から自社に合うものを検討します。
設備導入の場合、「労働時間の削減につながること」を説明できる必要があります。
3.成果目標を選ぶ
「残業時間の削減」「年休の計画的付与の導入」「時間単位年休・特別休暇の導入」のいずれかを選び、無理なく達成可能な目標を労使で話し合って設定します。
4.スケジュールを確認する
交付申請は令和8年11月30日(月)まで、取組の実施は令和9年1月31日(日)まで、支給申請は事業終了後30日以内または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日までとなっています。
5.準備を始める
設備導入を検討する場合は、原則2社以上から見積りを取得します。契約・購入は交付決定後でないと対象外となるため、見積り取得までを先行して進めておくことが有効です。
よくある誤解・勘違い
- 「企業規模が小さいと対象外になる」→ 誤りです。本助成金は中小企業事業主を対象としており、業種ごとに定められた資本金または従業員数の基準を超える事業主(大企業)が対象外となります。規模が小さいことを理由に対象外となるわけではありません。
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「パソコンやタブレットも対象になる」→ 原則対象外です(特定の条件下で特例が設けられる場合があります)。
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「取組を実施すれば自動的に支給される」→ 誤りです。選択した成果目標が達成できなかった事業場については、その成果目標に関する助成額は支給されません。
よくある質問(FAQ)
Q1.うちの会社は対象になりますか?
A.中小企業であれば、規模の大小にかかわらず対象となる可能性があります。業種ごとの中小企業基準(従業員数・資本金)を満たし、36協定の届出や年休管理簿の整備などの要件を満たすことが必要です。まずは現状確認をおすすめします。
Q2.助成を申請してから設備を購入してもいいですか?
A.申請後であっても、労働局からの「交付決定」を受ける前に契約・購入したものは助成対象外となります。見積りの取得は申請前でも可能ですが、契約・購入は交付決定の通知を受けた後に行ってください。
Q3.助成額はどのくらいになりますか?
A.成果目標の組み合わせや賃金引上げ等の加算の有無によって、数十万円から数百万円程度まで幅があります。実際の金額は対象経費に補助率を掛けた額などとの比較で決まるため、自社の取組内容に応じて専門家に確認することをおすすめします。
Q4.いつまでに動けばいいですか?
A.交付申請の期限は令和8年11月30日(月)です。準備には一定の時間がかかるため、早めの検討が望ましいといえます。
Q5.何から始めればいいですか?
A.自社が対象要件を満たすかどうかの確認と、社会保険労務士等の専門家への相談から始めることが有効な選択肢となります。
経営者向けチェックリスト
- □ 雇用保険の適用事業所である
- □ 業種ごとの中小企業基準(従業員数・資本金)を確認した
- □ 36協定を労基署に届け出ている
- □ 年次有給休暇管理簿を作成している
- □ 設備投資・休暇制度の整備・賃上げのいずれかを検討中である
- □ まだ設備の契約・購入をしていない
上記に当てはまる項目が多い事業主様は、年休促進コースの活用を検討する余地があります。
まとめ
年休促進コースは、設備投資による業務改善と、休暇制度の拡充・賃上げによる人材定着という、2つの経営課題を同時に検討できる制度です。
会社として最初に着手すべき行動は、①自社が対象要件を満たすかの確認、②設備導入や休暇制度整備の方向性の検討、③専門家への早期相談、の3点です。
交付申請の期限(令和8年11月30日)までには準備に時間を要するため、早めの行動が重要です。
詳しい制度内容は当事務所の「年休促進コースまとめページ」をご覧いただくほか、具体的な進め方については「相談会」にて承っております。
自社にとって有効な選択肢かどうか、ぜひお気軽にご相談ください。
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